ボストン美術館
アメリカ独立100周年にあたる1876年7月4日に開館した米国を代表する私立美術館。海外における日本美術の最大のコレクションを誇っており、とりわけ東大寺旧蔵「法華堂根本曼陀羅」に代表される奈良ゆかりの仏教美術コレクションは、19世紀末にアーネスト・フェノロサらが神仏分離政策の余波によって危機に瀕した寺宝を保護したことで形成されました。そしてフェノロサの教え子だった岡倉天心が、現在まで続くボストン美術館の日本美術部門の礎を築いたのです。
アーネスト・フェノロサ(1853-1908)
米国マサチューセッツ州出身の哲学者・美術史学者。ハーバード大学を卒業後、明治11年(1878)に来日し、東京大学で哲学の教鞭を執る傍ら、日本美術に深い関心を寄せました。助手の岡倉天心とともに奈良の古社寺を中心に、日本各地の文化財の調査・保護に従事し、その調査過程で発見した名品の数々を自ら収集しました。帰国後にボストン美術館東洋部長に就任すると、その膨大なコレクションを同館に寄贈し、日本美術研究の先駆者としてその精華を世界に紹介しました。
岡倉天心(1863-1913)
東京大学の助手としてフェノロサに学んだ後、文部省の技官として全国の古社寺調査に従事。特に奈良の古社寺調査を通じて仏教美術の価値を再発見し、帝国奈良博物館(奈良国立博物館の前身)の設立など文化財保護に尽力しました。東京美術学校長として法隆寺金堂壁画など古画の模写を通じた新日本画の創出を指導し、後に渡米してボストン美術館の中国・日本美術部長に就任。同館の日本美術コレクションを体系化し、その価値を世界に広く発信しました。