みどころ
第6章 南都仏教の復興と絵所
鎌倉時代、南都の大寺院を中心に仏教の教学復興が本格化しました。東大寺の華厳宗や三論宗、興福寺および薬師寺の法相宗、唐招提寺および西大寺の律宗など、各宗派で新たな儀式が整えられるなか、本尊となる仏像や仏画、祖師像の需要が急増します。これらの彩色や制作を一手に担ったのが、南都を拠点とする絵仏師たちでした。
本章では興福寺に所属した「南都絵所」と呼ばれる仏画工房のうち、特に室町時代末期までその系譜を維持した吐田座・松南院座・芝座の三工房の絵仏師たちに着目し、彼らが描き継いだ中世の南都仏教を彩る絵画の諸相をたどります。
法相宗の継承を示す現存最古の曼荼羅。南都仏教の復興を象徴する貴重な初期作例
法相曼荼羅
南都絵仏師の命尊が描く、究極のやすらぎに至った美しい釈迦涅槃の姿
重要文化財
仏涅槃図

奈良・法華寺に伝来した十六羅漢図の名品。南都ゆかりの図像を忠実に継承
修理後初公開
十六羅漢図
南都随一の絵仏師・命尊による超絶技巧。インド由来の女神・吉祥天を極彩色で艶やかに彩る
重要文化財
吉祥天倚像および厨子
南都における仏師・絵仏師の
競演の実態を伝える重要作
重要文化財